デザインの眼

03/01/2019

生き方 の デザイン

商品・製品デザインの仕事をしていると、不可欠なのはユーザーの行動、生活、ライフスタイルへの観察と理解ではないでしょうか。

昨今のテクノロジーの進展による生活の変化、生活の価値観の変遷などを感じながら、ライフスタイルの新概念に目を向けることで「生きるをデザインする」というか 「生き方のデザイン」とか、何か 漠然とした感覚なんですが、そんなことを感じ、想いを馳せてみようと。

 

現在、人々の多くは意識する しないは別としておそらく下述のようなキーワードに関心をもっていることが想像できます。

無駄なく   賢く     効率よく   スマートに   >> 生活感

自分らしく  後悔なく   満足感ある          >> 自己実現

健康的な   体にいい   快適な            >> 健康志向

環境的に   優しい    デザイン           >> 美的感覚

今 生活者に好まれているモノは上のキーワードをクリアーしているのでしょうか?

例えば、‘無駄のない‘ ということで言えば、自然志向の衣類・生地を好む。 ‘効率よく‘ ということで選ぶ家電製品、乗り物 を。

‘自分らしく‘ ということで選ぶファション / ブランド、カスタム可能な住宅を、時間・内容の組み合わせが自由なスポーツクラブ / 習い事 / 塾 を。

‘賢く‘ との志向で投資、預金、保険を。 ‘体にいい‘ という飲み物/食べ物、スポーツ、サプリメント、等々。

このような生活者 ₋ エンドユーザーの価値観を満足する商品・製品・サービスがこれからも求められるでしょう。

思い起こすと、あのバブルころには、‘快適な‘、‘カッコイイ‘、‘イケてる‘、‘リッチな‘、‘もっと儲かる‘ 等々のキーワードが踊っていたわけです。

 

意識するしないは ともかく、身の回りには諸々の事象、その状況、変化があるわけです。

例えば  日々の生活の中で...

土地のこと、家、車、結婚、子育て、家電、衣類、フード、趣味、旅、 貯蓄、投資、 . . . .などなど

こうしたことを踏まえた生活の流れ、ライフスタイルなのか、価値観の連鎖なのか、その概念がマーケットで創出され、企業、メーカーが提供する生活コンセプトのようなかたちでの無言の誘導なのか、どうも そのような様々な流れを感じるのです。 誰がそうした概念、価値観をデザインしているのでしょうか? 種々の企業業態を超えたかたちで、新たなメリットを提供する企業が、起案者が、生活デザイナーなのか、目に見えないクリエイターの存在が匂います。 そして人々は、それらを感じ、使ってみる、試してみる。ということが起きている。

そんな時代なのでしょうか。

これまでによく見かけた ある生き方、分野、製品などにこだわる 所謂 ‘オタク ‘ の存在が薄れているような気もします。しかし、一方品定めにこだわりだしている傾向も確実にある。

自分自身の価値観、選択肢で自身の生活をデザインするのではなく、提供される生き方、新しい人間らしさ、生き方を享受している若者達が増えているのでしょうか?

 

かつて、書籍から多くの偉人たちの生き方を学んだものです。そこには哲学的思考、価値観、生活態度、しっかりとした意志を学ぶことができました。

こうした生き方の手本には関心が薄れているのが現代なのでしょうか。 若い生活者たちの関心は? 彼らの価値観は? 生き方の志向は? 明解な傾向が見えにくいというのが現実なのでしょう。

一つ 明らかなのは、彼ら・彼女らは スマホによるSNS / INSTAGRAM等の活用による生活感は共通しているようで、強い傾向の一つなのでしょう。よく言われる「情報化」の社会で ‘生きる ‘ を感じるには不可欠な道具ともなっているのが `スマホ文化`といえます。

スマートフォーンの爆発的な普及のカギは、いろいろな機能を備えたハードウエアではなく、そのソフトウエア / アプリ / 情報管理のパーフォーマンスが優れているからでしょう。この分野のクリエイターは、ユーザーのライフスタイル / 価値観 / 満足感 などなどを凌駕したインテリジェンスが求められます。 優れた ‘ 仕掛け人‘ の存在が。

このスマホ生活の便利さ、快適感、満足感、他とのつながり方、さらに言うならば  ‘生きている感‘ から離れられない人々の数は計り知れません。

 

先にリストした諸々のキーワードを再度眺めて感じるのは 、 、 、 、 、

これらの価値観、生活感、要望感 満足感に面食らっている人々も少なくない筈です。あるいは、そうしたことへの選択肢を明確に持ち、自分自身の生活をクリエイトしている人々も存在する筈です。 そして、それぞれの生活感・価値観の多様化も進んでいます。

人々が気にして、共有するそうした価値観、生活感を踏まえてのビジネスの可能性を感じると同時に、そうしたトータルな生活提案型のアプローチ、クリエーションが求められているのでしょう。 この貢献が「生活をデザインする」ということになるのでしょうか。 しかも、そうして創られた製品の利用価値を最大限化するソフトウエア/アプリが不可欠です。

 

これまで、工業デザインの仕事を通して、新しい機器を活用した「生活の提案」をしてきました。「生き方の提案」までには なかなか辿り着かないことにジレンマを感じながら。

大事なことは企業経営者とのパートナーシップでしょう。社内デザイナーの場合は経営陣と、そして もう一つのパートナーはアプリソフトの開発者です。

工業デザイナーとして、製品開発過程でそうしたソフト開発者へ、開発指針を提示するようなプロジェクトが多くなっています。こうしたパートナーとの強い繋がりのなかで 「未来を生きるデザイン」に挑戦したいものです。 そうした「仕掛け人」、「クリエイティブ・ディレクター」として。

 

新しい時代に合った 生き方をどうデザイナーが仕掛けられるか ? ??